交差点 - ようこ 2025/09/27 01:40 博客

その男と女は・・・

お互いを知りつつ
交わらなかった2人。

そんな2人が
初めて会った時・・・
女の笑顔に
一気に心がほぐれ
初めて会った事すらも忘れていた。

テーブルを挟んで座り
２人でゆっくりと酒をのむ。

男は初めて会ったその女が
ただ頷き、
時折自分の心を見透かしている瞳から
目が離せなくなり
どんどん酒を口に運ぶ速度が
早くなっていった。
「随分饒舌だな・・・」
自分自身そう思った男は1人笑いをした。

その瞬間だった。

女はすっと立ち上がり
男の隣に座り
「貴方に抱かれたいの」と
突然口を開いた。

女の急な言葉に男は焦ったが
女の瞳が潤んだのを見て
何も言う事はできず
何より・・・
男自身もそうおもったからだ。
2人は店を後にし、
ホテルへ向かった。

部屋に入ると、
戸が閉まるか閉まらないかの瞬間
女は男に抱きつき
「疲れてたんだね。
　大変だったね。
　いつも心配だったの。」
そう言いうと
つま先立になり
右手は頬に
左手は首に腕を巻きつけ
口付けをし
唇に舌を這わせながら
中に入れていく。

男も女の舌と絡ませるように　
キスをしながら
女を優しくベットに倒すが
その後は
お互いがお互いの服を
競うように脱がせ、
唇が離れても、すぐに求め合う。

女は
「ああ、本当に心配だったの・・・」
と言い
男はそれに頷きながら
女の乳首が硬くなっていくのを舌で感じ、
女の局所が愛液で濡れ
熱くなっていくのを指で感じながら
男自身も自分のそれが硬くなり
女の体に触れているだけで
いきそうになる程興奮していた。
そして女に軽く触れられただけで
すべて出てしまうのではないか？
・・・だが
交わる2人には
本能に従う事しかできなかった。

会うまでは長かった。
しかし、男も女も言葉にはださず
同じ事を思っていた。

出会ってしまった2人は
交差点という恋愛の迷路に
すぐに迷う事をどこかで気がつき
そうならない為に
わざわざ同じ時期に
お互いに色々ありすぎて
時間が空いた事すらも
人生の悪戯だったのだ・・・

そんな出会いもあるのが
この仕事の嬉しさと
辛さだと女は静かに目を閉じた。