イベントコンパニオンを生業としている私にある日一本の電話がなる
ベットからゴソゴソと携帯を取り電話を取るといつもお世話になっている社長からの電話だ
眠気眼で話を聞くとどうやら知り合いの店が周年イベントをするようで、キャストにバニーガールの格好をさしイベントを打つと言う
人が少ないので手伝いに来てほしいとのこと。。
いつも御世話になっている社長だし断る訳にもいかない私は2つ返事でOKをだし期間限定でバイトをする事にした。
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業に入ればなんとやらで2日もすれば仕事も大体覚え、働く他の女の子とも仲良くなれた
(期間限定とはいえ仕事場の雰囲気も良いし、ナカナカ楽しいな♪)
そんな事を考えているとボーイから呼ばれお客様に付いて欲しいと言うことだ
「はい~了解です~」
言われた席につくと
(ん…?この人昨日も…)
連続で来てくれるなんて周年イベントが良かったんだと私は思い
「うわー!昨日も来てくれてましたよね!
有難うございますー!」
ニコニコ笑いながら彼に話しかける
『あ…う…うん…』
口数が少ないのか昨日も私が話しかけるのに相づちをうつ位で余り積極的に話をしてこない…
話題を変えようかな?
と話をそらす
写真家さんらしくいつも色んな写真を撮ってる…等
少しだけどふみよれたかな?
なんて暢気に考える私
ボーイさんから指示を貰い違うテーブルへ
「今日は有難うございました♪ごちそうさまです!」
すると小さな声で
『#@&ちひろちゃん……』
(……?え?)
多少のアルコールも入っていたので聞き流す事にしたが…私の名前だったような……
一日の仕事を終えロッカールームで着替えにはいっていると
仲良くなった女の子達が口々に言う
「千尋ちゃん、あのお客さんヤバイよー。。
他の席いってる千尋ちゃんをずーっと見て携帯弄ってたよ?」
「そうそう。ノンアルコールなのに毎日最初から最後までいてるし…今、スマートフォンで音のならない撮影ができるみたいだよ?」
「他の子ついても全く無視だしねえ……」
私は気づいてなかったがそんな事があったんだ…
スッと寒気がするのを感じた
そんなこんなで契約も最終日いつもの様に頑張るぞー!
とマンションを出ると…
さっと隠れたがもしかして……
頭の中には一人の男が浮かんでいた
お店に着き女の子達に御世話になったお礼を言っていると血相を変えて一人の女の子がロッカールームに入ってきた
「ちょ!
これ千尋ちゃんだよね!」
見してもらったのは1つのHP
中味をみて私は嗚咽を感じた
私のメッセに出ていた時の写真…私の…プライベートの写真…
そして…
バニー姿の私の写真…
内容は口にするのもおぞましい官能小説だ
私は彼に懇願する奴隷であったり
時には彼に痛みを植え付けるとピンヒールで彼の手の甲を踏みつけ捻りつける…
御丁寧にアイコラまでし自分の手の甲に傷をつけている写真まで張り付けてある……
この一週間毎日店に最初から最後まで…
熱意はわかるが…
【狂愛癖】
不快以外の何物でもない
二次元の中でしか何も出来ない
二次元の中で私にいたぶられ興奮を覚える
そして【強固】たる自分の【世界】を持つ彼…
は?私の写真、私の個人情報…私のプライバシーは?
考えれば考える程怒りが芽生える
深呼吸を1つし、頭を冷やす
相手は粘着の二次元の人間
考え出すと口許が緩むのを感じる
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ボーイに呼ばれ例の男の席につく。
満面の笑顔に満面の愛想で彼にピッタリくっつく
「今日で周年イベントも終わりですね~★
毎日きてくださるなんで嬉しいです☆」 「もう会えなくなっちゃうなんて淋しいですね…」
ピッタリとくっつきしなだれかかる
あほくさい三文芝居と解りながらも自分で笑いが止まらない
「そう言えば写真家さんだったんですよね!
記念に私の写真をとって下さい!」
願っても無い願い事に動揺しながらも2つ返事でOKをする男
一枚のホテルの部屋番号を書いた紙を渡し耳元で囁く
「待っててくださいね☆私の記念のバニーちゃん…綺麗にとって下さいね☆」
興奮を押さえきれずハアハアと汗だくになる男
第一段階クリア
夢から奈落の底へ堕ちるとも知らず浮かれる肉塊を横目でみるとニヤケが止まらない
罰は罰で償いを
一線にもルールとマナーがある
そんなHPで私を辱しめた罪は 万 死 に
値する
仕事が終わりイベントの衣装を鞄に積め指定してあるホテルに向かう
そそくさと会計を終わらせにやつきながら帰っていた男を思い出すだけで笑いが込み上げる
いい気になっていれば良い
事情を説明しHPのコピーをマネージャーに見せホテルの出入口は固めて貰っている
後は私と彼の話だ
インターホンを鳴らすと満面の笑みで迎える男
部屋には撮影具を揃えカメラの蘊蓄を得意気に話す
ある程度話を聞いた所で話を切り出す
「ところで〇〇さん。」
「これ一体なんですの?」
プリントアウトしていたHPの束を投げつける
「気持ち悪い。私の写真何勝手にとってんのよ!」
「しかも何これ?安物の小説みたいな話。
小学生でももっとましな作文書けるわよ!」
青ざめオドオドしながら気味の悪い呻き声を出す男の腹に蹴りをいれる
私の豹変ぶりといきなりの出来事にたじろむ彼
「よそ見をした僕に焼きもちを焼きウサギちゃんは鳴きながら僕の手を潰す」
「貴方の血が私の涙よ!泣きながら僕を踏み続けるウサギちゃん」
「彼女は本当に僕が居ないと生きていけない本当にウサギそのものだ。だ?」
「ポエムかなんかのつもり?才能も ク ソ
もないね?
教科書一から読み返したら?」
男のHPの一枚を読み上げ鼻で笑う
「ウサギにこんな事されたいわけ?
してあげようか?二度とキーボード打てないくらい」
そう言いながら男の手の甲…指を踏みつける
『&@※%§*!!!』
声にならない奇声を発する彼
「何、ないてんの?それとも喜んでるのかなー?」
馬乗りになり彼をニコニコ見つめる
「貴方が望んだんでしょー?」
「良かったね!願望叶って☆」
「でもこれからよー?私の心はもーっと傷付いてるからー」
悪夢の一夜が幕を上げた
ウサギちゃんはとっても焼きもち焼きで嫉妬深いの…☆
あら?
ウサギちゃんかしら?残念貴方が思ってたのはウサギじゃなくてどうやらタチの悪い蛇だったみたいね♪
罪は罰で
なんでこの部屋指定したかわかるかな?
ビデオがしっかり回ってるの☆
世の中には色んな【癖】の人がいるからね♪